アメリカにおける豊胸手術の歴史

American Society for Aesthetic Plastic Surgery (ASAPS)によると、1997年にアメリカで、シリコンまたは生理食塩水バッグを用いた豊胸手術を行った女性はおよそ10万人で、2005年に同様の豊胸手術を行った女性は、36万人以上に上り、その数は1997年の3倍以上に増えていることになりました。

その一方で、2004年には5万件以上の豊胸バッグを取り除く手術が行われたと報告されています。これらの統計を見ると、豊胸を行う女性が増えているにも関わらず、豊胸手術の安全性に関する議論が渦巻き続けているのも不思議ではありません。

■アメリカにおける豊胸手術の歴史
アメリカでは1960年代に、シリコンゲルや生理食塩水を内容物としたシリコンバッグが初めて販売されました。その販売量は1980年代までは比較的緩やかな伸びでしたが、1990年までに約100万人の女性が豊胸手術を行っています。豊胸手術を受けた多くの女性は、シリコンゲルによる豊胸手術を行っています。

アメリカにおいて、医療品は、販売前に安全性や有効性が証明されなければなりません。しかし、1976年以前に販売された移植医療機器に関してはこれが当てはまりませんでした。結果的に、米国食品医薬品局(FDA)が、シリコンバッグを販売している会社に製品の安全性を証明するように要求したのは1991年でした。また、生理食塩水バッグの安全性は、2000年になるまで求められませんでした。

シリコンゲルバッグが、FDAからの認可を受けたのは2006年の11月です。それまでの1992年から2006年までの間、シリコンバッグによる豊胸手術は、癌患者(乳房再建)やバッグが破損した女性の再手術を対象とした臨床試験に限定されていました。この臨床試験は安全性データを提供するための研究の一環として行われ、手術を受けた患者は、形成外科医により定期的にチェックを受けました。

その結果、2006年の11月に、FDAは2つのメーカーで作られているシリコンゲルを認可しましたが、いくつか制限を設けています。例えば、若い女性は、肉体的にも精神的にも発展途上にあるため、それらは22歳以上の女性のみの使用に認可されています。

 
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